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書くことは、考えること。 AI時代だからこそ、書くことを大切に ~今すぐ使える〈書く技術〉~

文筆家/株式会社デコ 代表取締役社長
高橋 団吉 先生

 「僕は子どものころ国語がとても苦手で、小学校では本読みができなかった。でも野球は元阪神タイガースの掛布より上手かったよ。」とおっしゃる高橋先生。それが今では自称「神保町で一番日本語にうるさい編集者」だそうだ。(笑)

(以下、講義内容)

小さいころは家にはテレビもラジオもなく、本はあったけど全く読まず外遊びばかりしていた。そんな自分を壊そうとして早稲田大学文学部に入ったが、壊れなかった。

築地で働いている時に哲学者の木田元に誘われて出版社に入社したが、誰も仕事のやり方を教えてくれなかったので、どうやったら編集の仕事ができるかを自分で考えながらやってきた。

 ある時、「大人の少年誌」を標榜していた雑誌「ラピタ」の黒笹編集長から「新幹線の話を書いてほしい」と言われた。新幹線には全く興味がなかったが「人間ドラマとして書いてくれ」と言われ、出来上がったのが「新幹線を作った男 島秀雄物語」だ。

 今は言葉をめぐる歴史的な大転換期だ。言葉がこれほど大量に世の中人あふれている時代は初めてで、すさまじい量の情報があふれている。そのせいか皆、自分に必要な情報のみを短絡的に捕まえ、「自己肯定」+「同調圧力」に流され、自分の「モノの考え方」を考えていない。

言葉は「社会制度の中で決められたもの」だから、自分の思想が直接的に言葉となって出てくることはない。自分の中から湧き上がってくるものを表現するには、言葉と言う社会の道具が必要で、そのストックをある程度は持つべきだ。編集の仕事をするには絶対的な言葉使いの技術が必要だと思い、たくさん読書をし、有名作家の文章を真似することで、自分の言葉としてたくさんアウトプットし、自分のモノ(技術)にしていった。

(編集後記)

 「読みだしたら、つい最後まで読んじゃった、が大目標」など、ご自身で体現化されてきた数々の示唆がとても心に響く。黒笹教頭、なぜ今回の高橋先生の授業が最後の最後になったんですか?このサマリーを書き始める前に先生の授業を受講していたら、僕ももう少しまともな文章が書けていたかもしれないのに。(笑)

以上

この記事を書いた「こうち仁淀ブルー熱中塾」メンバー

豊後 彰彦
豊後 彰彦

会議の設計と進行管理のことで皆様のお役にたてれば幸いです。舟釣りをしながら、友達といじりいじられる時間が至福です。

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