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豊かさを分かち合える社会を目指して

 大学時代に起業して、今48歳。沖縄をよくしたいという思いで仕事をしてきた。今日は私のこれまでの活動を共有し、それをヒントに高知県の発展につながるアクションが起こればと思っています。今まで、複数の事業を立ち上げてきた。それぞれ10年スパンくらいで活動してきた。「沖縄と世界の未来を豊かにする人材と事業の創出」が活動のコンセプト。

 1998年くらいからあった「沖縄=安い下請け」というイメージを変えたくて起業した。首都圏からの企業は人件費が安い、補助事業がある、という理由でしか沖縄に進出してきたが、働く人々は幸せそうではなかった。「沖縄単価なら仕事を出すよ」と都市部の企業。違和感があった。でもそれが当時の沖縄の現状だった。

目次

インターネットとの出会い、起業

一方で、大学生の頃から、インターネットを触るようになった。今までの沖縄の現状を見て変えたいと思っていたから、自分でインターネットを通じた事業、サービスを創った。沖縄に拠点を置きながら、「安いから」ではなく、自分達のサービスのクオリティで全国と勝負をしたかった。昔、琉球の人は、自分達から海外に出て交易する、というマインドがあった。とにかく「沖縄にもできる」ということを証明したかった。毎年新しいサービスをリリースした。主要取引先は県外。海外でのチャレンジもスタート。当時iPhoneが出たことで、海外向けにもアプリを作って売る、という事業ができるようになった。ここで世界中から沖縄にお金が入ってくる、ということを体験した。「メイドインオキナワ」で世界中にサービスを展開した。「沖縄から世界へ」。シリコンバレーに拠点も設置。

ニーズにあったサービスを作り続けた。「ITは課題解決のための道具」。一つの事例が広がって、全国や海外からもリクエストが来た。事業開発の全てのプロセスを自社でやるのではなく、起業家を増やすという狙いでプロトタイプ開発まで一緒にやって、そこから先は別会社化して経営を任せるようになった。

社会課題の解決

 沖縄の社会課題の解決を持続可能な形で解決するための事業創出にも力をいれている。例えば、沖縄では毎日、メディアに出るくらい深刻なシングルマザーの問題。これを解決するために、東京のデジタルデザイン企業と提携し、パソコンを触ったことの無い人を採用し育成することも事業の一部としてウェブデザインの事業を起こした。地方の課題解決に首都圏企業のノウハウを持ち込むという考え方。沖縄だけでなく、東京の企業も事業に注目するようになった。IT産業としての事例は作れた。次は沖縄県をもっと良くしたい、と思うようになった。私が「株式会社沖縄県」の社長だったら何をするか?「沖縄の自立型経済の実現」。依存から自立へ。これは沖縄県としても進めたいことだった。まず必要なことは「人」の育成だった。

このころ、初めてシリコンバレーに行った。もっと早く行っていればよかったと後悔した。世界をもっとよくしたいと懸命に頑張る若者がたくさんいた。一方。沖縄には安定志向、保守的な考え方の若者が多かった。「企業は人なり」。株式会社沖縄県にとっても重要なことは人材育成だった。ただ、行政の補助金には頼らなかった。数年ですぐに終わってしまうし、制約が多いから。人を育てるということは時間もかかるしプロセスもさまざま。だから「Ryukyu frogs」を立ち上げた。アントレプレナーシップ(起業家精神)の育成を目的に、中・高・大学生を中心とした若者を集め、選考を経て、研修からスタート。とにかくいろんな大人に触れさせる。子供たちは環境次第で本当に成長する。半年という時間で劇的に変わる。

Ryukyu frogsについて

活動は14年目に入った。感じていることは「子供の可能性は無限大」だということ。Ryukyu frogsの卒業生はそれぞれの道を歩んでいる。彼らがまた次の世代を連れてきてくれる好循環が生まれている。この好循環がコミュニティとして沖縄で育ってきている。初めは「何をやっているのかわからない」と言われた。でも事例ができると変わってくる。

さらに、「貧困家庭からの脱出」もテーマ。沖縄の社会課題である貧困にも立ち向かう。

関係人口をどう作るか

 コンテンツをきっかけとして人の繋がりを作っていく。Ryukyu frogsの活動は、現在全国6ヶ所でその取り組みが始まっている。昨年高知県でも立ち上がっているが、県内での知名度はまだ低い。ぜひ皆さんにも関心を持っていただきたい。

〈Ryukyu frogsの行動規範〉

やるべきこと

  • 自ら進んでやってみることグローバルな視点で考えること
  • どうすればできるかを考え続けること
  • 失敗を小さく、早く、たくさんすること
  • 成果を行動と結果で示すこと

やってはいけないこと

  • 周りを気にして行動に移さないこと
  • 狭い視点で考え、一人で抱え込むこと
  • 思考を停止させること
  • 失敗を恐れ完璧なものを作ろうとすること
  • 口ばかりで行動しないこと

うむさんラボの立ち上げ

 最近仕掛けているのが「OKINAWA SDGsプロジェクト」。沖縄の課題を取り上げて、解決に向けてどんな事業が創出できるかを議論し、実際にプロジェクトを生み出していく。沖縄にいると、企業それぞれがバラバラで仕事をしているように感じる。そうではなくて、株式会社沖縄県の一員として同じ方向を向いてやっていこうという考え方で活動している。コミュニティを育み、インプットよりもアウトプットを大切にする。世代を超えてやっていくことも大切。大学生にもきてもらっている。みんなで沖縄をよくしていこうというプロジェクト。

「ゆいといろ」の立ち上げ

 企業の事務作業を請け負う事業を立ち上げた。社会的マイノリティが企業を支える、というコンセプトで活動している。一人ひとりの特性を理解し、働く環境を整えれば、人はもっと活躍できる。時給800円で始めた人が、数年で年収400万円を超える、そんな事例が出始めている。

まとめ

 豊かさを分かち合える逞しくて優しい経済の循環を生み出すことで、自然とひと、人とひととが、ありのままでともにある社会。そのモデルとなる島、沖縄。そして、「調和」「平和」への貢献、リーダーシップ。地方こそチャンスだと思って今日は高知に来ました。私の話は以上になります。ありがとうございました。

【黒笹元幾の一人frogs!】

 僕は小学5年生の時に高知に移住してきた。高校を出た後は調理の専門学校に。ホテルの厨房に就職するも体調の問題でやむなく退職。高知に帰ってきた。そんなとき、比屋根さんと知り合った。

 元々海外との交流や食べ物に関わることが好きだった。だから、今は海外を目指した寿司職人になるべく勉強している。沖縄には2回行った。一回目は色々な人の話を聞いて、人を知った。沖縄の雰囲気を味わった。2回目は、自分の考えている事業のアドバイスをもらいに行った。自分にとってとても刺激的になった。

 今回の旅で成長したと思う部分。一つ目。時間を大切にするようになった。二つ目。自分が何をしたいのか気づいた。僕は寿司を握ることがゴールだと思ってたけど、寿司を手段として人を喜ばせたいということがしたいんだと気づいた。誰でも寿司を気軽に食べられるような事業をやってみたい。三つ目。人との繋がりの大切さに気づいた。お金よりも大切だと思った。自分も信頼されるような人間になりたい。これからはマイルストーンを置いて一段一段ステップを上がっていきたい。

この記事を書いた「こうち仁淀ブルー熱中塾」メンバー

仲田 和生
仲田 和生

高知大学大学院生
釣り好き新人サウナー

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