【仁淀ブルー熱中塾】第4期生のお申し込みはこちらから

自分がやるべき事を、自分で考え選択できる教育「多様性と個性尊重、体験学習を重視した森の小学校、とさ自由学校設立奮闘記」

 こうち仁淀ブルー熱中塾
内田泰史校長
(医療法人恕泉会 内田脳神経外科理事長)

とさ自由学校で実践している体験学習の話が進むにつれ、僕の頭の中では、ある話が妄想となって膨らんでいった。

思い当たることがあるのだ。

ちゃんと朝飯を食べてきたのに、ときどき通勤途中のコンビニでおにぎりを買ってしまう。そのたびに「腹が減ってイライラして仕事に差し支えたら駄目だから。仕方ないんだから!」と自分に言い訳してきた。(でも罪悪感が味付けとなるのかなぁ?旨いんだな、これが!(笑))

そう。いつも後付けで自分を正当化する僕がいる。

ある話とは、ヒトの脳みその中には「ワニとウマ」が同居しているという話だ。

ワニは生き残るための本能を、ウマは好きだ嫌いだの感情を担っている。じゃあヒトの脳はというと、未来を予想し、社会生活を破綻させないよう、本能のワニ脳と感情のウマ脳を理性や知性で封じ込んでいるということらしい。(筆者所感。後半に続く)

目次

菊池晴彦先生の言葉

内田泰史校長

私の恩師である京都大学名誉教授菊池晴彦先生はこう言っている。

「医師は自分自身のためではなく、世のため、人のためにある。大学医学部に入学する多くの人が知識力は素晴らしいのだけれど、この人達には医者になって欲しくない。人間を大切にしていただきたい。一人前の医者になるには国民の税金を1億円使っていることを忘れないように。また、周囲に感謝しないといけない。そういったことを教えたいけど大学教育では難しい。人間形成されていく幼児教育が重要だ。」(内田校長)

とさ自由学校とは

学校法人日吉学園森の小学校「とさ自由学校」は2019年4月に開校した。小学校設置基準に沿った私立学校で、自然の中での体験学習を中心として、自分で考え自分で決め行動する子どもたちが育つことを目指している。

「個性・多様性の尊重、自己決定、体験学習」の3サークルを教育方針として、グループラーニングを中心とする学習活動を行っている。例えば、算数の時間に「お芋の数」の話から産地や社会のことなど、教科の枠を超えて横断的に学習する。

とさ自由会議とは、学校のルールや運営方法を決めていく全校会議のこと。大人も含む全員が参加し、こどもたちが中心になって学校の自治を決めていく。

また、こころざし科は、地域の人や専門家、アスリートを講師に招き、志を持っている身近な大人の話を聞いて自分の夢や希望をより確かなものにしていく活動だ。(内田校長)

自己肯定感

子供の頃の生活で身につくお手伝いの習慣は重要だ。お手伝いをして褒められることで「自分が必要とされている」という実感ができ、自信がつく。

日米中韓で自己肯定感の比較をしたところ、自分は価値ある人間だと思う割合は日本は4割程度、他国は9割程度と大きな差があった。これではいけない。

とさ自由学校では、生徒から質問があっても先生は「知らない」と言って教えない。その代わりに「図書館に行けばわかるかも?」と伝えて、生徒が自分で調べたことを後で先生に教えてくれるように仕向ける。こういったことが、こどもの自信や主体性に繋がっていく。

国宝になった開智学校の写真を見ると、先生は生徒の後ろにいて生徒と同じ方向を向いている。(この絵は、教え込むTEACHINGに対して、主体性を促すCOACHINGの姿勢と同じだ。筆者)

また100年前にはこういう言葉が残っている。「教育者は大いなる希望を以て平和の為人類の幸福の為に尽くさねばならぬ」(内田校長)

筆者所感

「ワニがウマの尻尾に噛みついている。で、暴走するウマの首には、ヒトが必死にしがみついてる。」講義が終わるころ、膨らんだ僕の妄想は、このような1枚の絵になって落ち着いた。

普段、できるだけ理性的・論理的にあろうとしているけれど、しょせんは「感情や本能にしがみついているだけの理性」にすぎないのかもしれない。

体験させることで、理性だけでなく本能や感情も同時に刺激する教育。内田校長が実践しているこの教育方法は、こどもたちを「本能・感情・理性が混在一体となった「生き物としてのヒト」」なのだと捉えたうえで、ちゃんと地に足がついた人間形成を目指しているのではないかと思えた。

ちなみに学説によれば、ワニウマヒトの3つの脳がうまくリンクして同じ方向を向いているときに、人は幸せを感じるのだそうだ。

この記事を書いた「こうち仁淀ブルー熱中塾」メンバー

豊後 彰彦
豊後(ぶんご)彰彦

会議の設計施工管理屋を自称する高知県庁の土木技術者。マイボートで釣りをしながら、友だちといじりいじられる時間が至福です。

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URL Copied!
  • URL Copied!

コメント

コメントする

目次
閉じる