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50年後のイージーライダー「人と自然、技術(わざ)とロマン 共に未来(あす)を創る」

高知商工会議所副会頭 / カツオ県民会議会長
山﨑道生(やまさき みちお)会長

 タイトルは株式会社山崎技研の経営理念そのままです。年商33億円(2020年9月期)、父であり創業者の山崎圭次氏は高知生コン事件のレジェンド、高知商工会議所副会頭、カツオ県民会議会長と、高知の経済界のみならず、自然との共生、産業教育等、多方面に渡って存在感を発揮しているご意見番の自然体の講演。

 生=業(ナリワイ)の心地よさを、言行一致のかっこよさを、言葉と背中で示して頂きました。

目次

キカイとサカナ、作ってます

山﨑道生会長2

親父は、なんとなくお金持ちの家に生まれて、鏡川沿いに家があって、毎日、投網で鮎をとっていた。
小舟で浦戸湾に出て、魚をとって、みんなで宴会。ある日、急に、海が臭くなって、透明度がゼロになって、白くかぶれたボラしか取れなくなった。
怒りの始まりは自分の楽しみが奪われたことだったが、流域の、旭のあたりは貧しい家が多く、トタンが腐ったり、とにかく臭い。県庁に104回、陳情に行った。高知パルプも県庁も出入禁止になって、親父は「私がやる」と。

 高知生コン事件は、悲壮なものではなく、おばあの家の匂いが取れれば、よう思ってくれるはずやから、川で遊べるようになるし、ということで、苦悩もなく決行。
みな喜んでくれて、それ以来、一滴の廃液も流れていない。きれいになった。

 それから、全国自然保護連合の会長になって、日本中、回った。九州の養殖で、タイのチャリコを大量に取るから、タイがいなくなる。「道生、タイ作れ」と。

 今はプログラムで動く機械が主流だけど、山﨑技研の機械は、コンピュータのいいところだけとって、人間の勘が入る。大量生産には向かないけど、「はやぶさ2」が持ち帰ったカプセルの蓋開けも人間の感覚でできる。恐る恐るやりやすい。

 マダイの稚魚は、日本全体で4,500万尾、養殖されているが、そのうちの1,000万尾を養殖している。親魚養成では、近畿大が、成長ゲノムの編集を実用化しつつある。筋肉が太る割には、骨が小さいという作用がある。
無害だというが、遺伝子の作用は、タンパク質が仕事をする。それが身の中に残る。DNAを切っただけと言うが、理解できない作用をするタンパク質が体に残ってしまうので、私は手をつけられない。うちの親魚養成では、100万匹の中から、大きいベスト100を選ぶ。
それを3-4世代やって、巨人家系を作る。すると血が濃くなるので、死ぬのが増える。また新しい血を探して、掛け合わせる。ただ、家系が特殊に育つと、海には放流できない。海で急に大きくなって、他のタイのえさを食べ尽くす、喧嘩して追い出す、と言うことが想像される。大型にしたタイは、できるだけ放流しない。養殖先で大きくなって、産卵すると言うのは仕方がないが。

 足摺、柏島には、アカハタなど、南方系の魚が北上。35年前は、3時半には、沖から小さな沿岸漁業の船が7杯ぐらい帰ってくる。それから小釣りに出て、アカハタ、タイを釣っていた。パッと見ても2万円分ぐらい。それが成立している詩情豊かな海で、別世界にいるような感じだった。今はマグロの給餌船がものすごい音を出しながら空気で餌を生簀に飛ばしていて、それを海鳥がとって、阿鼻叫喚そのもの。ロマンチックじゃねーなーと感じている。

 高知の山も植林して50-70年生がほとんど。下草も落ち葉もない。落葉樹の下は、植物が枯れているだけでなく、菌類、虫がたくさんいる。そいつらが死んで、動物性の肥料が仁淀川に流れる。クロちゃん(黒笹教頭)が大半、釣ってしまうが(笑)。今の海の生産性が上がるなら、わかり切っているけど、落葉樹を増やすべき。周辺の市町村も、うまくし尿を川に流さないで、海、魚のために使うべき。科学的なアプローチ。そうして海を豊かにしたい。

大切なことは、全部おばあちゃんが知っている

高校を出て、神奈川の大学に行ったところがつまらん。行かなくなって。1969年ぐらいの空気。安保の2回目が70年。学生運動が終わりかけの頃。煙たい催涙弾の中、新宿で日米安保、米帝粉砕といったアジを聞いたり。心意気は分かったけど、じゃーどーすんの。ソ連に行って話合いをするのか、軍備を増強するのか、

いまだに何が言いたかったのかわからない。当時はヒッピー、イージーライダーの時代。ベトナム戦争では、その国のために、その国の人を殺すというのはどういうことなのか、と厭戦的、退廃的な運動が起こっていた。
ヒッピーという反体制、自由人が生まれていた。19ー20歳の頃は、そんな空気の中、赤羽のアパートで、タバコを吸いながら、ジミヘンを聴いてと、ひどい暮らし、ふしだらなことをやっていた。が、これも飽きた。
ガラッと変えようと思って、神奈川の岬で、マグロ船に乗せてくれ、と言ったら、田舎に帰れと。親父が県の訓練船に放り込んでくれて、300tの船で、インド洋に4ヶ月、太平洋に4ヶ月、航海をした。帰ってきて、海の仕事がしたい、というところに、タイを作るぞ、と養殖を始めた。

23歳で結婚した。養殖場を抱えて、結婚式の前の日に大きな台風。事業所に住むことになっていたけど、周りに人家がない。夜、小さな船でタンス、三面鏡を積んでブルーシートで包んだ船での嫁入り。私の人生で一番、幸せだった。

 この会の目的も、仲田くん(熱中スタッフ:高知大大学院生)にも聞いたが、なんだかんだ言っても、幸せのなり方を勉強しに来ている。知り合いが増えて、わーわー言ったり、裸で正直に接するのが人間楽しい。いろんな人のいろんな生き方を聞いて、幸せになり方のヒントを少しでもたくさん持っておく。それがこの会の大きな特徴だと思って、協力している。

 幸せを感じるのは、お金で800万ぐらい。それ以上だと、リニアに上がらない。高知だと600万ぐらいか。

 自分は、高知県工業会を主宰している。3,000人ぐらいの団体。機械、製品、鉄工所は、全部、製品・技術で判断される。なんぼ口で言っても補えない。製品が良ければ買ってもらえる。正直なごまかしのない世界。開けっ広げになんでも言う非常に良い世界に生まれて住んでいる。そういうところの宴会、非常に幸せ。みんな楽しそう。正直に喋っていて、いいなと。

 精密なものを作っているので、40歳で社長に就任してから、生産性をあげろと言ったことない。背中でストップウォッチ片手に指図されると自分は死んでしまうので、人にもそうはできない。じっくりと良いものを作っている世界に入ってくれ、凝ってくれと。すると生産性というか、ちゃんと動けるぐらいのことはしてくれている。その延長で、良いものを作る仲間として、顧客を招待して、工場を見せて、こう作っている、こういう苦労がある、あるいは顧客の苦労を、食事をして、悩みや楽しみを話す。人生の仲間として、歓待して、やっている。そんな風に、自分がやりたいように、気持ちの良いように、無理をせず、会社ができて70数年経っている。

 話は戻って、美味しい魚を獲って、売って、お客さんに美味しいと言ってもらえるのは、人生の形であり、自立の形。魚が減ったのか、養殖に駆逐されたのか、名人、尊敬されるべき人々として残っていた宇佐のベテラン漁師が寂しそうに歩いているのを見ると、人間、自立している、喜んでもらえる、そういうものに囲まれていないと不幸だな、と。おばあちゃんが言っていた通り、ものを大事に、友達大事に、優しくしろ、そう言う話。

幸せって、なんだっけ

塾生からの質問:山崎さんにとって、幸せとはなんですか

 うちの会社、200人ぐらい全国から来る。高知、空気がうまい、飯もうまい、人もおもろい。モットー、壁を作らずに自分を開く。高知県人だから。コンビニでも普通、ありがとう、とか言わないけど、ありがとうとか、ひやいね、とか。そう言うところからも開けてくる。おばあちゃんの話に戻る。人によくしてもらったら感謝しなさい。

 お母ちゃんと来年、再来年、金婚式。酷いことをしてきたけど、機嫌よう一緒にご飯食べて、テレビを見て。口はきついが、愚痴は寂しさ。女はそう言うもんだから、できるだけ家にいてやれ、新婚夫婦には言っている。おばあちゃん、嫁さんと仲良し、家族が一緒、庭には、今年も小鳥がやって来る。平凡なこと。ただ、それをジャッジしておかないとわからない。そういう昔のまま。他に幸せない。お金をつかんで、色々やってみたけど、お母ちゃんの機嫌が悪かったら終わり(笑)

イージュー☆ライダー’21

自分がやりたいように、気持ちの良いように、無理をせず。その感性・感覚に、思考の広がり、射程の長さが伴った時に初めて、サステナブルな未来(あす)が創っていけるんだろう、そんな風に考えさせられたお話でした。僕ら仁淀ブルー熱中塾も、自由を、青春を、そんな今日を、共に続けて行ける旅人でありたいと思います。

この記事を書いた「こうち仁淀ブルー熱中塾」メンバー

佐久間 ゆういちろう

宮崎駿チルドレンを自称する「森の人」志向インベスター

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