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「NO.1になるためのONLY.1戦略」 ~私が文旦オタクになった理由~

土佐文旦・白木果樹園代表
白木 浩一 先生

  

土佐文旦は高知県人にとってソウルフードだ。まだ僕も若かった昭和60年代、スナックのママさんが剝いてくれた文旦のさわやかな香気とほろ苦さは、酔っぱらいにとても優しかった。当時はよく WON’T BE WRONGを歌ってたなぁ。

(ちなみに文旦には塩を付ける派ですが、自分で剝いた文旦より人に剝いてもらったほうが美味いと思うのは僕だけ?)

目次

1981年大寒波から始まった。

1975年に明徳中学校(現在の明徳義塾中学校)に入学。

1981年2月27日、大寒波が襲来し、父親が経営する白木果樹園の8割が枯れた。そして同年、高校を卒業すると同時に父親の跡を継いでから、大寒波を経験したためハウス栽培や通信販売など、これまでとは違ういろんなことをやり始めた。

1993年にはパソコンを購入し通信を始めると、2005年には日経新聞の1面で「ネットと文明」という特集記事に掲載された。

参照: http://blog.livedoor.jp/buntanman/archives/50032755.html

2015年以降には、楽天の通販1位を何回か獲得させてもらった。

文旦の話

白木果樹園での文旦販売は、春は土佐文旦、夏は夏ぶんたん、秋は水晶文旦、冬は温室土佐文旦と四季折々ある。

オタク・マニア・馬鹿と言う言葉があるが、その定義は「常識的に欠けていることがあるが、一つのことに対して突き詰めていく様」と言うことらしい。でも、同じオタクでもアマチュアとは違ってプロはそこでお金を稼ぐ、儲けることができる人のことを言う。

お客様から、よくある質問は、Q1:文旦はどこから来たのか?Q2:ほかの県にもあるのか?Q3:グレープフルーツとは一緒?Q4:土佐文旦と他の文旦との違いは?などなど。こういった質問に対しての答えを突き詰めることがオタクへの道、プロとして稼げるヒントになる。

例えば柑橘の芳香成分について。文旦にはヌートカトンの含有が多く、レモンにはリモネンが多い。アロマ効果で言えばヌートカトン(文旦)はリラックス効果が、リモネン(レモン)はリフレッシュ効果がある。

土佐文旦は、昭和初期に鹿児島県よりもらってきた苗木を宮地氏が植えたことが始まりで、英名では「Pomelo」、台湾では「麻豆柚」。ここでの柚は(柑橘の大きな実)と意味しており、高知で言う柚子とは違う意味。

柑橘類の起源とされている種類には、シトロン(からたち、仏手柑)、マイクロシトラス(フィンガーライム、山椒)などがあり、文旦の系統は、八朔などのイエローポメロ系統と晩白柚(ばんぺいゆ)などの系統に分かれる。晩白柚の系統はさらに果肉が白い土佐文旦、果肉が赤い紅まどかに分かれている。

1981年の高知県内の文旦の生産量は1,800トンだったが、現在では1万トンに増えている。そのうち45%は土佐市、32%が幡多地域だ。販売チャネルは、昔は市場がメインだったが近年は宅配に変わってきた。(市場のシェアは75%から25%に低下)

文旦には、種が多いとか皮が厚くて剝きにくいなどの悪いところもあるが、機能的な面ではオーラプテン(発がん制御物質)、GABA(抗ストレス作用)、ペクチン、ビタミンCなどが含まれている。また文旦は「寝かせる」ことをするが、糖度が変化することはなく酸味が低下し、新鮮な状態から、熟成、腐敗と変化していく。

ONLY.1戦略。

ONLY1になるための戦略としていろいろとやっている。

SNSでの拡散は「被り物」作戦。被り物は誰しも被りたい、楽しみたいという心理があると思う。最初は恥ずかしいけど、一人が被ったらみんな被る。だから被り物はいくつも用意してみんなが被れるようにしている。また、フランス語でSNS発信もやっている。英語はあるけどフランス語は無いやろ。(笑)

製品を出荷しているという意識ではなくて、商品をお届けしているイメージ。例えばワインの世界は生産(1次)から加工(2次)、提供(3次)までのすべてを一人でやっている。テロワール(フランス語:産地特性に近い概念)は、土地の条件(天)が50%、気象条件(地)が30%、人の技術・世話(人)が20%を支配していると言われる。

 美味しい、とは「視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚」の5角形に「物語」を足したもの。一期一会でその瞬間を楽しむものだと思う。そうやってファンを増やしていく。ファンとは信者。信者を一文字にすると「儲」になる。

編集後記

かつて文旦を東京の人に食べさせた際には「汁気の無いみかんだなぁ」と言われた気もするが、酒のつまみになる柑橘は「文旦」以外には無いことを、僕は高知県人として少し誇りに思っている。でも文旦が1年中出荷されていることを知ったのは、恥ずかしながら今日が初めてだ。(苦笑)

以上。

この記事を書いた「こうち仁淀ブルー熱中塾」メンバー

豊後 彰彦
豊後 彰彦

会議の設計施工管理屋を自称する高知県庁の土木技術者。マイボートで釣りをしながら、友だちといじりいじられる時間が至福です。

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