南国斉藤牧場(有)/ 南国市市議会議員
斉藤 喜美子 先生
高知県南国市白木谷で山地(やまち)酪農をしている斉藤牧場さん。
高知市の中心部から車に乗って30分で行ける距離に牧場があるの?
また山地(やまち)酪農、というワードも初めてお聞きする聞きなれない言葉です。
講師の斉藤先生から目の前に出して頂いた美味しそうな牛乳を手に取り口に運んでみると、ほのかな甘みがあるのにスッキリとして飲みやすい!牛乳が苦手な人がよく言う「牛乳くさいニオイ」も全然しない。
試飲用なのに、喉が渇いていたのも手伝いこっそりおかわりしてしまった事を白状して、今回のレビューを始めさせていただきます(笑)
斉藤牧場に嫁ぐまで
斉藤喜美子さんは高知県出身。伯父に彫刻家の濱田浩造氏を持ち、東京の武蔵野美術大学を卒業して広告デザインの仕事に携わったのち帰郷してからは、氏の元で銅像製作のアシスタントも経験。梼原町「維新の門」の製作も手伝われていた。
幼い頃から自然と動物が大好きで、ワクワクすることを探されていた喜美子さんは友人の紹介で、斉藤牧場を2代目として継いでおられた斉藤佳洋さんと出会う。佳洋さんは獣医の資格をお持ちで循環型放牧「山地酪農」に従事されている方であった。
縁に引き寄せられるように喜美子さんは佳洋さんとの結婚を決意、1997年に牧場のてっぺんで友人家族に祝福されつつ結婚式を挙げた。
斉藤牧場の山地(やまち)酪農
『山地(やまち)酪農』は自然を活かした循環型の酪農スタイル。牛は一年を通して山で自由に過ごし、主に放牧場に植えられた日本芝を食べて暮らしている。
山地・草地の多いわが県の環境に合った「未来をつなぐ高知の酪農」である。山には使い道があり、生産性が無いと考えられているところに生産性を持ってくることが大事であるし、また平野部と山地のあいだの緩衡地帯に人が住まなくなることによって獣害がもたらされるが、山地酪農を営むことによってそれも解消されると考えられる。
斉藤牧場の山地酪農牛乳は自然が育てた「本物」の牛乳であり、低温殺菌の「ノンホモジナイズ」。牛乳成分の脂肪球を粉砕しないので脂肪が溶け出さず、俗に言う「牛乳臭さ」が無くフレッシュな味わいになる。
一般的な牛乳は安価に大量生産することを狙っているため短時間に処理をできるホモジナイズ加工されているが、消費者は「なぜこんなに安いのかな?」と考えてみてほしい。
斉藤牧場では1ヘクタールにつき2頭までという基準に沿って放牧しているのでなかなか儲けを出すと言う点では難しいが、自給自足で効率的に回すことによって解決しようとしている。
『子育て支援と農業の充実』
斉藤牧場には6人の子供たちがいる。幼い頃からみんなで酪農を手伝ってきた。
現在は二代目牧場主のご主人、次男、四女、他1名がメインで働いており、成牛25頭、育成牛10頭がいる。牧場の環境を考えると、温暖な気候なので長く山に植えてある日本芝で主食を賄えることや、タケノコの生産地でもあるので日本芝が寒くて少ない時期にタケノコの皮などエコフィードが可能なことなど、この地域ならではのメリットも多い。
基本的に草食動物の食性に合わせた飼料をメインにしており、そのため牛に負担はかからないがそもそも乳量が少ない。支出を自給飼料やエコフィードなどで抑え、堆肥を産業廃棄物や手のかかる熟成肥料にせず直接山に還元し、収入は少ないが差額を出すことで経営を持続可能にしようとするのが山地酪農の醍醐味でもある。
一方、斉藤先生はこれまでの間もいろいろなことにチャレンジしてきた。
6人の子育て経験の中で、小学校、中学校、高校のPTA会長等を長年つとめ教育問題や少子化問題にも取り組む。
根本的問題を捉えた少子化問題、自身が経験してきたからこそわかる育児支援の必要性や教育現場のあり方、酪農従事者として減少し続ける農業従事者と農地問題や持続可能な農業のあり方、自然共生型の社会実現などに真剣に向き合うため、令和3年には南国市議会議員に立候補し初当選を果たした。
次の世代に続く農業を。そのための政策を。
現在は市政に携わる中で、農林水産省・文部科学省・経済産業省の担当者とも情報交換を欠かさない。農業問題、教育問題、経済問題は一つ一つを切り離して考えられるものではなく、互いに関連している。
日本国内では食料自給率が低迷し、行きすぎたグローバリズムが産業と雇用を奪い、地方は切り捨てられ都会に資源・資金が集中する。
また、地域ぐるみで高収益の実現を狙う酪農クラスター事業にも問題点があり、SDGs教育にも落とし穴がある。
高知県動物愛護推進協議会副会長も務められる斉藤先生は「広がらないアニマルウェルフェア」にも心を痛める。動物の愛護及び福祉を通じて、人の福祉、子供達の情操教育等、社会貢献を達成しこれらを次の世代に続けていきたい。そのための農業、政策を実現していく斉藤喜美子先生であった。
編集後記
溌剌とした笑顔がまぶしい斉藤喜美子(きみこ)さん。市議を務められているだけありお話ぶりも歯切れよく、すっかり引き込まれてしまいました。
喜美子さんの好きな言葉は「為せば成る!」
米沢藩藩主・上杉鷹山の 「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」 から取られた言葉ですが、まさにどんな問題や課題でもドンドン積極的に解決し成し遂げていく、そんなパワーを感じさせる方でした。
今後も社会のために、ご活躍を応援しております。今度はぜひ、斉藤先生が 食の6次産業化プロデューサーとしても貢献し土佐の食1グランプリ優勝に輝いた「山地酪農牛乳ジェラート」を食べてみたい自分でした。
【追加情報】・・・斉藤牧場の牛乳やお肉は、ふるさと納税や、G-Call ショッピング(g-call.com)でもお求めいただけます!
この記事を書いた「こうち仁淀ブルー熱中塾」メンバー
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ライフワークとして古武術ベースの身体操作術と、
また世界的ボードゲーム【バックギャモン】を戦略的思考を高めていくツールとして取り組んでいます。
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